雨の日の映画館

昨日,雨の中、長野の映画館へ
相生座・ロキシー1・2
この映画館,明治25年に芝居小屋として始まり、
映画館としての歴史も日本でも1、2を競います。
雪や雨の日にばかり来ているように思いますが、
私は、そういう日にこのノスタルジックな映画館で
ひとりで映画を見たくなるようです。

午前中は、菅平の友人から
「邦画ドキュメンタリー特集で、
どれでも見られるんだけど、
私の知り合いがこの映画にかかわってるの。
だからね、絶対見に行ってくれる人にあげたいの」と
7月7日までの邦画ドキュメンタリー特集の
チケットをくれました。
先月見たのも福島県飯舘村の農家の
おばあちゃんたちのドキュメンタリー
「飯舘村の母ちゃんたち」、
そして、今月は同じ福島の須賀川の農家のドキュメンタリー
「大地を受け継ぐ」
私の日常もそこそこ濃いかと思っているので、
正直、見ようかどうか、なかなか決められませんでした。
もう現実は見たくない、
知らなくてもいいかというか・・・

農家の一言一言絞り出す言葉が重い。
偉そうに個人的な言うとドキュメンタリーとしては、
この話を聞いた若者たちの捉え方が、
もの足りなかった気がしてします。

1本見て、すぐに帰ろうかと思ったけれど、
なんとなく後ろ髪魅かれ、
梅雨空にカタツムリ、ここに行くしかない。
友人の営むブックカフェ「まいまい堂」へ。

そして午後は、今度はメジャーな映画
アカデミー主演男優賞、脚本賞を受賞した
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」。
男性主人公,そして、10代の若者ということで、
これまたちょっと迷いましたが、
なぜか、ポスターが私に呼びかけたので・・・

帰りながら2本の映画を振り返り、
一言で言えばどういえばいいのかと考えていました。
偶然ですが、どちらも主役は、寡黙な男の人達。
本当に傷ついたら、言葉にできない。
そして、他人だけでなく自分でも、
思っているより傷は簡単に治らない。
忘れきっていると思うけれど、けっして忘れていない。

そんな映画を見た後で、心の中はじんわりしてるのに、
こんな写真を撮る私って、
いったいどうなんでしょうねえ。
映画館のトイレで感激しました。
私の日常にピンクは疎遠で、
ピンクがかわいいと写したのではなく、
掃除のすばらしさに感心したのです。
ピンクなのに甘さがないのです。
キリッとした雰囲気を感じました。

そして洗面所も、隅々まで気合いというか、
丁寧さを感じました。
すごいなぁ、相生座。
私も頑張ろう。